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技術フォーラム

第28回 日本NCSLI 技術フォーラム (役員及びボランティアスタッフ、講演者一同)
開催報告

第28回 日本NCSLI 技術フォーラム 開催報告

2019年11月8日(金)東京都大田区産業プラザPiOにて、第28回 日本NCSLI 技術フォーラムが開催されました。

今回は、ホットな話題となる「キログラムの新しい定義」をはじめとする7つのテーマの講演と計測機器等の展示会が行われ、例年通り多くの皆様にご参加頂き、交流と情報交換がされました。

全体で160名を超す参加者となり、計量・計測分野と本フォーラムへの期待と関心の高さが伺えました。今回も講演者、参加者、また多くの運営協力者の皆様の協力にて成功裡に終えることができましたことをこの場を借りて御礼申し上げます。

講演会

キログラムの新しい定義

国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター (NMIJ, AIST) 倉本 直樹
講演概要
質量の単位「キログラム」は、1889年に国際キログラム原器の質量として定義された。2019年5月20日、このキログラムの定義が130年ぶりに改定され、普遍的な 物理定数であるプランク定数にもとづく新しい定義へと移行した。この歴史的な定義の改定の実現には、産業技術総合研究所において実施されたシリコン単結晶球体を用いたプランク定数の精密測定が決定的な役割を果たした。定義改定の経緯について解説するとともに、定義改定の波及効果についても紹介する。

IEC61672-3に準拠したサウンドレベルメータの校正について

一般財団法人日本品質保証機構 (JQA) 平 寛
講演概要
近年、IEC 61672-3に準拠したサウンドレベルメータの認定校正の要望が高まっている。IEC 61672はパート制となっており、Part1ではサウンドレベルメータの仕様を規定し、Part2では型式評価試験について規定し、Part3であるIEC 61672-3では定期試験について規定している。本講演ではIEC 61672-3の位置づけや試験の概要を述べるとともに校正の不確かさについて紹介をする。

交流電圧測定におけるリードの構造と材質の影響

TRANSMILLE Ltd. マイケル・ベイリー
講演概要
ほとんどの測定技術者は、リードの構造と材質が直流電圧測定に与える影響(例えば、低品質の金属が原因のEMF)や抵抗測定に与える影響(高抵抗測定で誤差を生じさせる絶縁抵抗値)について精通してる。しかしながら、10 Hzから1 MHzの交流電圧の精密な測定にリードが与える影響については、精通している技 術者はずっと少なくなる。本プレゼンテーションでは、低周波及び高周波での精密(100 ppm未満の不確かさ)な交流電圧測定に焦点を当て、リードの長さ、構造、材質が測定に与える影響について調べ、測定でのリードの不確かさの影響度を詳しく評価した結果を報告する。

温度計測用交流ブリッジの校正方法の検討

日本電気計器検定所 (JEMIC) 小池 真利子
講演概要
温度計測の分野において、交流ブリッジは抵抗温度計の抵抗値測定に使われている。その測定周波数は、商用周波数の1/2倍(25 Hz、30 Hz)又は3/2倍(75 Hz、90 Hz)であることが多い。従来、日本電気計器検定所では、交流ブリッジの校正を75 Hz及び90 Hzで実施してきたが、標準器の対応周波数を拡張し、25 Hz及び30 Hzにおける校正も可能になった。本講演では、これらの概要を紹介する。

衝撃加速度の計測とそれに用いる加速度計の校正技術

神栄テクノロジー株式会社 山下 秀樹
講演概要
近年、電気自動車、スマートフォンの普及に伴い、メーカーに求められる製品の耐久性は、安全性確保、データ保護の観点からその要求レベルは高くなる一方である。耐久性評価に用いる衝撃加速度は、あらゆる工業製品の安全性ならびに品質確保の重要なパラメータの一つとなっている。本講演では、衝撃加速度を用いた製品評価のための計測技術とこれら衝撃加速度の計測に用いる加速度計の校正技術について紹介する。

ストレスフリー形標準抵抗器の開発

アルファ・エレクトロニクス株式会社 座間 松雄
講演概要
国や産業界の校正機関が求める高い安定性をもつ標準抵抗器を開発した。伝統的に使用される従来品は、巻線形のため機械的なストレスが発生、温度特性や経年変化の性能を低下させている。開発した標準抵抗器は、抵抗体に独自のニッケルクロム合金箔を採用、シリコーン油を充填したセラミックケースに収納する構造で、抵抗体素子を機械的なストレスから解放。 その結果、温度係数は0.1 ppm/℃以内、経年変化は0.1 ppm以下を達成した。

ディスプレイの性能評価に役立つLEDベースの輝度用仲介標準光源の開発

国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター (NMIJ, AIST) 神門 賢二
講演概要
LED等の固体素子光源の高効率化は、画像技術にも大きな革命をもたらし、これによりディスプレイの性能を示す指標である輝度の計測も重要となっている。本研究発表では、NMIJで開発を進めている、高機能光学素子を利用したLEDベースの新しい輝度標準光源と輝度計・イメージングデバイスの高精度評価が可能な測定システムについて発表を行う。

展示会の様子

開催情報

【日時】2019年11月8日(金)
★講演会: 10:00~16:50
★展示会: 11:00~15:30
★総会: 12:00~12:10
★懇親会: 17:00~18:30

【場所】大田区産業プラザPiO 4Fコンベンションホール(〒144-0035 東京都大田区南蒲田1-20-20)

【主催】日本NCSLI
日本NCSLI (NCSL International - JAPAN)

【後援】国立研究開発法人 産業技術総合研究所
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 (AIST)

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